鉄筋工事の流れ

鉄筋コンクリートの建物を造る場合、まず鉄筋工事を行います。その後、鉄筋の周囲を型枠で囲い、そこに生コンクリートを流し込みます。コンクリートが乾いて固まったら、型枠を外して完成となります。

取り付けられた鉄筋はコンクリートの中に埋められて骨格となるので、建築物が完成した時には外からは見えません。それだけにしっかりとした仕事が求められます。

 

鉄筋を組み立てるところまでが「鉄筋工事」で、鉄筋工と呼ばれる職人が担当します。型枠を組み立てるのは型枠工、コンクリートを流し込むのは生コン業者です。様々な職人が協力して作業をすることで建物ができあがるのです。

①施工図の作成

設計図から、必要な鉄筋の種類と数量を割り出して、どのように鉄筋を組んでいったらいいのかを記した施工図を作ります。

 

ただ鉄筋を組んでいっただけでは柱や梁が交差する部分で鉄筋同士がぶつかってしまいますので、そのような事が起きないよう考慮しながら施工図を作っていきます。施工図のほとんどはCADを使って作成します。

 

②材料の仕入れ

鋼材を扱っているメーカーや商社から、必要な鉄筋を仕入れます。加工しやすいよう種類別に分けられて保管します。

③切断・加工

施工図に従って機械で鉄筋を切ったり曲げ加工をしていきます。

大きな力をかけることで曲げていきます。

 

④現場に搬入

加工した鉄筋を現場へトラックで運び込みます。積み込む際には積み荷の安定性、積載量も考慮しながら行います。 

現場に届いた鉄筋は、崩れ落ちて曲がったりしないよう安全な場所で保管します。

 

⑤配筋(はいきん)

施工図に従って組み上げる「配筋」と言う作業をします。

必要な鉄筋が入らなくなったり、建物の強度が下がってしまうこともあるので、順序を考えながら作業します。

鉄筋が地面に対して水平・垂直になっていなければならないので、確認しながら行います。

 

⑥嵌合(かんごう)

鉄筋同士を繋ぎ合わせて長くする作業です。

手の加えていない鉄筋は基本的に長さが12メートル以下ですが、築物には一辺が12メートルを超えるものもたくさんあります。建物の強度を保つために、内部に繋がった鉄筋が入っている必要があるので、建築現場では配筋をしながら嵌合します。

 

同じ建物内でも、場所によって嵌合の方法が違う場合もあり、間違えてしまうと建物の強度が下がってしまいます。そのため施工図に従って、手早く確実に嵌合しなければなりません。

⑦結束

ハッカーという道具を使って、コンクリートを流し込んだ時に鉄筋がずれてしまうことがないように、結束線と呼ばれる鉄線で鉄筋と鉄筋を固定します。

 

最初はなかなか難しいですが、慣れてくると早くできるようになります。職人さんの腕の見せ所でもあります。

結束した後に、結束線は外に出ないように奥に曲げこむようにします。これをしないと、コンクリート面に出てしまい、そこから錆が発生してしまうかもしれないからです。

⑧検査

施工図通りに配筋されているかをチェックします。

主なチェックポイントは、鉄筋同士の間隔(ピッチ)や、使用した鉄筋の太さや種類などです。水準器を使って、地面と水平に配筋されているかも確認します。

これで鉄筋工事は完成です。その後は型枠工に引き継いで、生コンクリートの流し込みが行われます。